用語解説

私たち昭和商事で取り扱いをしている業務用洗浄剤に関する用語の一部を、イラストなどを用いて分かりやすく解説いたします。

ノルマルヘキサン

水中に含有される油(鉱物油・動植物油)の量を抽出する溶媒の名前を「ノルマルヘキサン」と呼びます。グリストラップ内や浄化槽内での「ノルマルヘキサン」が示す数値は、排水中の油の含有量を示しており、値が高いほど排水が油で汚れているということになります。

※略称として「ノルヘキ」とも呼ばれます。

BOD

Biochemical oxygen demandの略称で、生物化学的酸素消費量とも呼ばれる最も一般的な水質指標の一つです。水中の好気性微生物は酸素を消費することにより有機物(界面活性剤も有機物の一つです)を二酸化炭素と水に分解します。この分解をする際、好気性微生物が要した酸素の量が多い程、水の汚濁が酷いということになります。一般にBODの値が大きい程その水質は悪いと言えます。

SS

Suspended solidsの略称で、水中に浮遊している不溶解性物質です。水の濁りの原因や、水の底に沈殿するヘドロとなり、環境汚染の原因となります。公共用水域における生活環境の保全に関わる環境基準、特定事業所に関わる排水基準などにより基準値が定められており、SSの数値が高くなると工場は操業停止になります。

生分解

植物性残渣や洗浄剤などの有機物が、微生物の体内に取り込まれて細胞構成成分の一部として同化、またはエネルギー源として利用され、無機物まで分解されることを「生分解」と呼びます。排水が直接河川などに放出された場合は河川水、湖沼水および海水中の微生物によって、また下水処理場で処理を受ける場合は、下水処理場の活性汚泥中の微生物によって有機物は「生分解」されます。特に洗剤の環境水系への影響を考える場合は、主要な成分である界面活性剤の分解性に注目する必要があります。

界面活性剤

主に「合成洗剤」に配合されていて、汚れに効果的に作用する成分を「界面活性剤」と言います。「界面活性剤」は、水に馴染み易い「親水基」と、油に馴染み易い「親油基」の2つの分子から成り立っています。 

1.陰イオン(アニオン)系界面活性剤

界面活性剤が水に溶けてイオンに解離した際、マイナスイオンが界面活性剤の働きをするものを「陰イオン系界面活性剤」と言います。洗浄力があるため身体用、洗濯用などの洗浄剤基剤として用いられます。

■主な種類

直鎖アルキルベンゼン系 アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)
高級アルコール系 アルキル硫酸エステル塩(AS)
脂肪酸系 高級脂肪酸塩(石けん)

2.陽イオン(カチオン)系界面活性剤

界面活性剤が水に溶けてイオンに解離した際、プラスイオンが界面活性剤の働きをするものを「陽イオン系界面活性剤」と言います。洗浄力はありませんが、その特殊な性質を利用して帯電防止剤・殺菌剤・繊維用柔軟剤・毛髪用リンス剤などに用いられます。

■主な種類

第4級アンモニウム系 ジアルキルジメチルアンモニウム塩

3.非イオン(ノニオン)系界面活性剤

水中ではイオンに解離せず、陰イオン系界面活性剤と併用されてシャンプー・台所用洗剤などに用いられます。

■主な種類

高級アルコール系 ポリオキシエチレンアルキルエーテル(AE)
アミン系 アルキルジメチルアミンオキシド(AO)
脂肪酸系 ポリオキシエチレン脂肪酸エステル(食品添加物)

4.両性(両性イオン系)界面活性剤

同一分子内にマイナスイオンとプラスイオンに解離する部分を持った界面活性剤の働きをする化合物です。この解離の仕方は溶液のPHによってかわります。洗浄・殺菌・柔軟・帯電防止などの作用があります。

■主な種類

ベタイン アルキルベタイン系
イミダゾリン系 アルキルイミダゾリニウム塩

合成洗剤

「合成洗剤」とは、洗浄の主な作用が石けん以外の界面活性剤によるもので、これに無機・有機の助剤性能向上剤を加えたものです。現在は生分解性の高いLAS(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム)に切り換えがされており、このLASの他、高級アルコール系やアルファオレフィンスルホン酸系等、動植物油脂や石油などを化学的に高度に加工した洗剤を、旧来からの石けんに対して「合成洗剤」と呼んでいます。

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